壁紙の種類について
クロス(壁紙)は布や紙、ビニールなどの素材から出来ており、大きく4つの種類に分類することができます。それぞれの素材による壁紙の特徴とメリットについて紹介します。
ビニル壁紙(ビニールクロス)

ポリ塩化ビニール樹脂などを主な素材とするビニールシートに紙などを裏打ちして作られた壁紙です。
最も標準的な壁紙で、品質も安定しており、他の素材に比べて価格も安価になっています。耐久性が高く、お手入れがしやすいことから、マンションやアパートの壁紙などに広く利用されています。
型押し加工やプリント加工が容易なため、色やデザインが豊富なのが特徴。たとえば、表面に凸凹のあるエンボス加工や発泡させたもの、プリントを施したものなど多種多様です。「白」だけでもいくつもの種類の白色があり、自分のイメージに近い仕上がりを期待することができます。
防カビ性や防汚性、耐水性などの機能など、クロスにさまざまな機能を持たせている機能性壁紙も多くみられます。
紙壁紙(紙クロス)

パルプを原料とした洋紙にエンボス加工やプリント加工を施して作られた壁紙です。
紙素材の持つ特性として、通気性があり、音を吸収してくれるというメリットがあります。
欧米では一般的な壁紙で、ビニールクロスと比べて、鮮やかな色や柄を取り入れることができるなど、欧米風の建物によく似合う壁紙になります。海外で使われていることが多いため、輸入品が多いです。
手すき和紙ベースのクロスもあり、和風な仕上がりにすることも可能。成長の早いケナフを材料にした非木材紙のクロスは、地球環境に優しいエコな素材としても注目されています。
織物壁紙(織物クロス)

レーヨンや絹、麻などの自然素材で作られた織物を紙で裏打ちして作られた壁紙です。
平織りや綾織、不織布などがあり、温かみのあるテクスチャーや高級感、重厚感が織物クロスの特徴です。また、通気性があるため、結露しにくいというメリットがあります。反面ホコリを吸着しやすいため、定期的に掃除やメンテナンスが必要となります。
高級感や重厚感を感じるため、ホテルや美術館、結婚式場などで使われることの多い壁紙です。高級マンションや、広いリビングなどに最適な壁紙ですが、少し値段が高いという問題点もあります。ワンポイントで利用することで壁にメリハリが出て魅力的な仕上がりが期待できます。
その他の壁紙

他にも、金属やガラス繊維から作られる無機質壁紙や、紙と珪藻土で作られる珪藻土壁紙、ポリエチレン・ポリプロピレンなどの合成樹脂を主原料としたオレフィン、薄くカットした天然木やコルクなどを紙と張り合わせた木質系壁紙などがあります。流通が少なく高額なものが多いため、部屋全体ではなく1面やワンポイントに使用されることが多いです。